ビジュアルノベル開発ディレクション その③
ビジュアルノベル部のまきなです。
みなさんビジュアルノベル作ってますか? 今日の記事ではビジュアルノベルを作ったことがない方向けに、制作する上でのディレクションのお話をします。
今回は第3回目、開発環境と進捗管理についてです。
『初めての人向け ビジュアルノベル開発ディレクション』
3.開発環境と進捗管理を考えよう
3行まとめ
・環境によって作品の内容が質が変わってくることを理解しよう ・必要な環境は積極的に取り入れよう ・開発環境や進捗の管理にも時間がかかることを理解しよう
○ 開発環境と進捗管理がしっかりしていると開発が楽になる
開発環境を整えると、どんないいことがあるでしょうか。 実は開発環境を整えると作品のクオリティが上がります。開発環境を整えるとは無駄な工数の削減及びルール順守の自動化に繋がり、よい作品を作ることに集中ができるのです。
どんな環境で作業するのかについてもしっかりと考えてみましょう。
○ 開発エンジンを決めよう
ビジュアルノベルの開発環境と聞いて最初に思い浮かぶのはゲームエンジンかもしれません。 近年様々なノベルゲームエンジンが登場し、どれを使えばいいのか見極めが難しいのではないでしょうか。こういった場合に考えるべきは「自分がやりたいことは何か」そして「そのエンジンは実現できるのか」です。 ただ近年のノベルゲームエンジンは高性能化が進み、機能の差が少なくなってきています。初めての方は試しに触ってみて自分が使いやすいなと思ったものを利用していけばよいと思います。
ノベルゲームエンジンの一例
・NScripter ・吉里吉里 ・ティラノスクリプト ・Light.vn ・AIRNovel ・宴(Unity) ・Ren'py ・LiveMaker
各エンジンのシェアについて今給黎 隆様が講演資料として公開くださっています。 資料はゲームエンジン全体について記載されています。 https://www.slideshare.net/imagire/2017-91121369
○ 開発をよりスムーズにするためのツールを導入しよう
開発をよりスムーズにするためにツールを利用するとよいかもしれません。ここではどんなツールがあるのか一例を紹介します。
▷作業の進捗管理をしたい!
「AくんはXXキャラのデザインをしてください!BさんはXXシーンのスクリプトをお願いします」 作業をしているとこんなやりとりが発生するかもしれません。ただ人が増えれば増えるほど、上記の作業は負荷がかかりますし、どんな作業があるのか忘れてしまいます。 作業を管理するためのツールの導入を考えてみましょう
『Excel』 パソコンに詳しくない方も名前は聞いたことあるのではないでしょうか。 Excelは「簡単に表を作れるソフト」です。WindowsPCであれば標準で入っていることが多いです。
『Excel(関数/マクロ入り)』 Excelには関数やマクロという機能があります。 この関数/マクロ入りExcelはフリー配布されているものもあり、気になる方は一度利用してみてもよいでしょう。 参考:http://www.vector.co.jp/soft/win95/business/se282986.html
『Redmine』 Redmineとはプロジェクト管理ができるオープンソフトウェア、『プロジェクトを管理することに特化した無料のソフト』です。 利用するには自身のサーバまたはクラウドサービスを利用する必要がありますが、そういった点をクリアできればガントチャート作詞やWiki作成、ロードマップ作成など様々な機能を利用することができます。 http://redmine.jp/
『Backlog』 Backlogはプロジェクト管理ができるASP型のツールです。ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)とは、サービスをネットワーク経由で提供するプロバイダで、噛み砕くと『ネット上にあるサービス』です。 Backlogは無料お試し期間はあるものの基本的に月々または年単位での支払いが発生するため、プロジェクト規模を吟味した上で利用するとよいでしょう。 https://backlog.com/ja/
『JIRA』 JIRAはもともとはバグトラッキング(プロジェクトのミスを追跡する)ソフトとして生まれ、その後プロジェクト管理ツールとして進化をしたソフトウェアです。 様々な機能があり非営利組織には無償提供しています。 https://ja.atlassian.com/software/jira
○ 作ったデータの管理をしたい!
作ったデータを保存し管理しなければならない時があります。 自分のパソコンにだけ入れておくという手もありますが、パソコンが壊れたら目も当てられません。また相手にデータを渡す際もメールなど1手間必要になってきます。 ここではデータの管理に利用できるツールの一例を紹介します。
『DropBox』 DropBoxはオンラインストレージサービスです。メールアドレスの登録で利用することができます。 カスタマイズ性にこだわらない、細かな操作はわからないという方はわかりやすいDropBoxの利用がよいと思います。 ただし利用開始時の無料利用枠が少なく、注意が必要です。 https://www.dropbox.com/ja/
『GoogleDrive』 GoogleDriveはオンラインストレージサービスです。Googleアカウントを作成し利用することができます。 ファイルやデータごとに閲覧権限の管理などが可能です。ただし利用規約にアップロードしたファイルについてGoogleにも利用権を与えると読み取れるものもあり注意が必要です。 https://www.google.com/intl/ja_ALL/drive/
『One Drive』 One Driveはオンラインストレージサービスです。Microsoftアカウントを作成し利用することができます。 ファイルやデータごとに閲覧権限の管理などが可能です。無料提供枠が5GBであり使いすぎには注意が必要です。 https://onedrive.live.com/about/ja-jp/
○ 連絡や情報交換などスムーズに行いたい!
ネット上でメンバーとやりとりする際に何を利用するでしょうか。 メール、という手段もありますが、メールは情報を多くかける代わりにリアルタイム性に欠ける部分もあります。 メール以外のやりとり方法について一例を紹介します。
『Twitter』 TwitterはSNSであり、アカウントを作ることで短文を投稿できるサービスです。 個人及びグループDMなどが利用でき、文字媒体でのやりとりは気軽に行うことができます。
『LINE』 LINEはSNSであり、アカウントを作ることでテキストチャットや通話ができるサービスです。 個人及びグループでテキストチャットが利用でき、相手と気軽にテキスト及び通話でやり取りを行うことができます。
『Skype』 Skypeはインターネット電話サービスです。無料でアカウントを作成し、個人チャットやグループチャット、画面共有しながらの通話など利用することができます。 知名度が高くアカウントを持っている人が多いです。 https://www.skype.com/ja/
『Slack』 Slackとはチームコミュニケーションツールで主にビジネス向けに利用されることが多いツールです。 無料容量に制限がありますが、基本機能はほぼ利用でき、GoogleDocやGoogleDriveとの連携機能など充実しています https://slack.com/intl/ja-jp
『Discord』 ゲーム用のコミュニケーションツールで主にゲームプレイヤー向けに開発されたツールです。 チャンネル作成及び閲覧権限の管理なども可能でき、ボイスチャットルームなどゲームをプレイする人向けの機能や構成が一通り揃っています。 https://discordapp.com/
開発環境や進捗管理に利用できるツールは非常に多いです。 全てを利用するとその管理で大変なので、今自分が必要なツールを選び利用しましょう。
次回は 怖がらず外注をしてみよう について掲載予定です。