ビジュアルノベル開発ディレクション その⑤
ビジュアルノベル部のまきなです。
みなさんビジュアルノベル作ってますか? 今日の記事ではビジュアルノベルを作ったことがない方向けに、制作する上でのディレクションのお話をします。
今回は第5回目、目標の共有をしようについてです。
『初めての人向け ビジュアルノベル開発ディレクション』
5.目標の共有をしよう
3行まとめ
・目標を設定しよう
・適した目標の形を考えよう
・目標には鮮度があることを理解しよう
○ 目標はなぜ大事?
目標は大事ってよくいいますけどなぜなんでしょうか。
逆に目標がないとなにが起こるのでしょうか。
目標がないままにプロジェクトをはじめると目標がないことにより作業にズレが生じます。例えば作業Aはやるべきかやらなくてよいか。この判断は何を持ってするべきなのでしょうか。
判断をするとは基本的にYESかNOで切り分ける作業です。そのためその基準である目標がなければこの判断がブレてしまうのです。
さらにチーム作業をした場合、目標を設定しないとどうなるでしょうか。 先ほどと同じような判断作業が各人で発生した時、あっちではYESこっちではNOの判断が発生して…なんてことになったら大変です。 こういった判断の基準を揃えるためにも目標はとても大切なのです。
○ 目標の形
では目標とはどういうものが目標なのでしょうか。
『頒布100本!』
これももちろん目標です。ですが目標には様々な形があります。
例えばコンセプトアート。 コンセプトアートとは最終製品のイメージを視覚化することを目的としたイラストです。 壮大な空を飛び回る作品を作る時、そのイメージは文字よりも視覚化して伝えた方がわかりやすくないでしょうか。 シナリオを担当する人、グラフィックを担当する人、音楽を担当する人、スクリプトを担当する人。 皆が同じイラストをイメージすれば『判断の基準を揃える』こともできるのではないでしょうか。
他には感覚の共有。 「敵を遠くまで吹っ飛ばすのって気持ちいいよね」というような感覚を共有する方法です。よく動的なゲームを作る際など行う手法かと思います。 これも共有すると「XXという感覚が気持ちいいなら、△△は入れたほうがいいな」という判断ができるようになります。
目標の形はいろいろありますし、目標は何も1つである人はありません。 大目標・中目標・小目標と優先度をつけて目標を複数設定する方法もあります。
必要な目標の形を検討し設定すると良いでしょう。
○ 目標には鮮度があることを理解しよう
目標は設定したらずっと同じ目標のまま進めるのでしょうか。 例えば1年前に設定した目標があったとしましょう。果たして1年前の目標は今も”つかえる目標”なのでしょうか。
最近は情報の流れが早く次々に新しい技術や流行がやってきます。趣味である同人活動は長期化しやすいく、新しい時代がやってきても開発を進めている場合も多々あります。そんな時、過去設定した目標のままで大丈夫なのでしょうか。
もちろんモノによっては同じ目標のままでなくてはならない場合もあるでしょう。 けれど必ずしもそうではないのです。
つまり目標には目に見えない鮮度があるのです。
そのため目標を設定したら定期的に鮮度のチェックをしましょう。この目標はまだ大丈夫だろうか、新しく作り直す必要のある目標ではないだろうか。そう言った目は必ず必要です。
ただし目標を変更することはゴールを変えるということです。 変えるべき目標なのかを鮮度は本当に落ちていないかをしっかりと吟味して目標をどうするか考えましょう。
そうしていけば新鮮な目標のもとで作品が出来上がるはずです。
全5回にわたる『初めての人向け ビジュアルノベル開発ディレクション』いかがだったでしょうか。
初めてビジュアルノベルを作る場合、ネットで調べてみると技術面の情報はよくありますがマネジメントについての情報はあまりありません。今回の記事が少しでも役に立てば幸いです。
また実際に作っておられる方の意見を聞いてみるのも良いでしょう。
それではみなさま、良いビジュアルノベル制作ライフを。素敵な作品が出来上がることを願っております。
お付き合いいただきありがとうございました。
ビジュアルノベル部活 まきな